世界の車窓から ロシア②

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世界の車窓から(特別編集版)全50話の感想を書いています。残り39話(o´∀`)ノ
今回はエピソード47「ロシア2 シベリア鉄道の旅」です。シベ鉄キターー(゚∀゚)ーー!!

今回行く所はこちら。
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ウラジオストク → ハバロフスク → チタ → ノヴォシビルスク → エカテリンブルク → モスクワ

のルートです。
極東からヨーロッパ、距離にして9529km!世界一長い列車の旅をどうぞ。


極東最大の都市、ウラジオストクから旅が始まります。
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ウラジオストク
軍港として栄えてきた町で、ソ連崩壊後に外国人に開放されたことをきっかけに急速な発展を遂げました。
街中の中央広場でマーケットが開かれていて賑わっていました。魚と、ハチミツ?のようなドロ~っとした液体を売っているのが見えました。なんだろう、あれは。
さあ、シベリア鉄道の発着駅、ウラジオストク駅へ。ここからロシア号に乗り、6泊7日かけてモスクワへ行きます!
ちなみに、ウラジオストク~モスクワ間を乗り換えなしで行けるのはロシア号だけだそうです。
モスクワから来たロシア号が駅に到着したので乗り込みます。午後10時20分、出発!

1等車は2人用個室で、2等車は4人用個室。3等車は車両いっぱいに開放式の寝台が並ぶスタイル。
個室にはテレビや電気スタンド等の諸設備があるようです。ネット検索で判明したのが、シャワーは1等車限定という事実。...oh.

<2日目>
ウラジオストクから8時間、500㎞ほど走行。
朝、車掌さんがサモワール(湯沸し器)で紅茶を作っていました。前回記事に書いた通り、ロシアは紅茶を飲む国。乗客が飲む紅茶を用意するのも仕事のうちです。紅茶カップの貸し出しや紅茶を淹れるサービスを行っています。

午前8時40分、ヴァーゼムスカヤ駅に到着。15分の停車です。
ホームで待ち構えている物売りの人々。ロシア名物、イクラを売っていました。

列車は再び走り出します。
湿地帯と白樺の林の中を走り、ホール川を渡ります。だんだん町の風景に変わってきました。

午前10時59分、ハバロフスクに到着です。30分ほどの停車です。
ハバロフスクはアムール川の川辺に広がる町で、極東の産業・文化の中心地です。古い街が整備されたおかげで、街はきれいで明るい印象。それにしても、街中を走るトラムのスピードが速いです。前回記事に出てきた、地下鉄のエスカレーターと列車のドアを思い出します。こっちの人ってせっかち?
ハバロフスクと言えばアムール川鉄だそうで、アムール川鉄橋歴史博物館が紹介されました。
展示されている昔の設計図などを見たり、建物のそばにある旧アムール川鉄橋の一部を見学することができます。

ハバロフスク駅の端にある陸橋を大きな荷物を担いで渡る人々。シベリア鉄道の乗客です。
小雪まじりの寒空の下、ロシア号出発。

全長2.6㎞のアムール川鉄橋を渡ります。2.6㎞て;
この橋が開通したときの感動はすごかったはずです。ずっと東西の陸路が絶たれていたのですから。

切符を確認し、車両の掃除をする車掌さん。色々とやることが多くて忙しそうです。
女性の車掌さんばかりだと思っていたら、やはりそのようで、車掌さんの8割が女性だとか。女性車掌とサモワールがシベリア鉄道の名物と言われています。

ハバロフスクを出発して2時間、広大な湿地帯が車窓に広がっています。湿地帯の上に白樺、モミ、松が生えています。
イクラをつまみにビールを飲む乗客のおじさん。天気回復で気分も上々↑?

午後4時過ぎ、オブルチエ駅に着きました。15分の停車です。
待ち構えている物売りの人々。今回の商品は朝鮮五味子という生薬で、アジア北東部に生えているつる性の植物。商品の内容でその土地の理解が深まるので面白いです。

再び、広大なシベリアの大地を走ります。世界一の国土なだけあって本当にひろーーーい。
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シベリアの風景
夕暮れの風景はなんとも言えない気持ちになります。

車内はかなり暖かいようで、乗客は半袖で過ごしています。これはありがたい。長旅で寒かったら辛いです。
ですが、シベリア鉄道の旅行記(朝日新聞デジタル「クリックディープ旅」より)で、暖かすぎて買い置きした食料が腐るという話を知りました;
生ものは即食べて、買い置きはカップ麺かパン!1週間の列車生活は結構サバイバル。

午後8時半過ぎ、ベロゴルスク駅に到着。30分の停車です。
食料の買い出しや気分転換で続々と列車を出る乗客。ちょっと疲れてきた頃です。
駅のホームにキヨスク発見!超せまい窓口で商品の受け渡しをしています。有人の自販機と呼びたい。

<3日目>
乗客がサモワールで紅茶を作っています。1日の始まりはやっぱり紅茶よね。

午前9時過ぎ、エロフェイ・パヴロヴィッチ駅に到着。停車時間不明。
長い名前の由来は、エロフェイ・パヴロヴィッチ・ハバロフという17世紀の探検家の名前。実はハバロフスクも同じ。

再び出発。タイガと呼ばれる針葉樹林地帯を走ります。地理の授業で習った用語を復習。
この辺りは冬の寒さが厳しく、最低-21度だそうです!ー40度になることもあるとか(((((((;´д`)))))))
列車の暖房やサモワールの燃料に石炭を使うのは、電気系統の故障に備えてのこと。そりゃあ、、、死んでしまいますからね。

午前11時過ぎ、アマザル駅に到着。20分の停車です。
ホームの外から柵越しに物売りが漬物を売っていました。何の漬物か不明ですが、おそらくキャベツ。

アマザルを出て、白樺の紅葉が美しい川沿いを走ります。ウラジオストクからひたすら走り、2400㎞。
酒を飲んだり、おしゃべりしたり、乗客はくつろいで過ごしていますが、表情に少し疲れが出ています。

午後6時46分、チェルヌイシェフスク・ザバイカリスク駅に到着。30分の停車です。
また長い名前ですが、これも人名が由来。19世紀の民主主義者、ニコライ・チェルヌイシェフスキーの名からつけられました。
わりと大きめの駅で、ホームにキヨスクが何軒かありました。買い出しをする乗客で混雑するキヨスク。
物売りは駅の外にいます。アマザル駅でもそうでしたが、ホームでの商売が禁じられているようです。商品の内容はよく分からないけど、パンみたいなやつが見えました。

再び西に向かって走り出します。
車窓には、クエンガ川の両岸に広がるなだらかな地形。夕陽に照らされた姿が感動的に美しいです。この辺りの風景がシベリア鉄道沿線で最も美しいとか。納得です。

紅茶に砂糖を入れて飲もうとする女性の乗客。どんなに混ぜても砂糖が溶けずに苦戦しています。湯がぬるいのか、砂糖がいけねいのか。
ちなみに、ロシアではジャムを紅茶には入れず、なめるらしいです。ネットで調べてみたら、ジャムを入れて飲むのはウクライナやポーランドのやり方で、なめながら飲むのがロシア流と判明。近隣諸国の情報と間違えてしまったのかもしれません。てへぺろ☆

<4日目>
午前2時過ぎ、窓をのぞいてチタ駅に着くのを待つ乗客達。かなり疲れています。
数分後にチタ駅到着。停車時間は多分40分。

チタは極東ロシア・中国方面とヨーロッパをつなぐ交通の要衝。駅には中国語の表記が多くみられます。
街にはアジア系の顔立ちをした人が多く、中国人かと思ったらブリヤート人(モンゴル系民族)でした。この民族、なんと日本人のルーツだという説があります!確かによく似ている、、、。
見所として、金色の屋根がまぶしいカザン聖堂デカブリスト博物館の紹介がありました。デカブリストとは、19世紀に結成された反帝政グループで、チタは彼らの流刑地でした。
番組スタッフがチタのレストランでロシア名物ボルシチを食べていました。野菜と肉を煮込んだスープで、赤い色の正体はビーツという根菜。壺のような器で食べます。赤いスープにスメタナというサワークリームの白が映えます。味についての紹介はありませんでしたが、一体どんな味?

午前3時頃、チタを出発。
夜が明けて、霧が出てきました。丸太がいたる所に積まれている、森林産業の村を通ります。
村の民家?の建物がボロ、、、簡素で頼りない感じなのが気になりました。すきま風が余裕で入ってきそうだけど冬大丈夫か?なんて、いらない心配ですかね。
ボルシチを食堂車で食べる人もいれば、車内販売でオームリ(バイカル湖でとれる魚)の燻製を買う人もいます。名物を楽しむのは良きことかな。

午前10時54分、ウラン・ウデ駅に到着しました。25分の停車です。
ホームではブリアート人の若者達が感動の再会を果たしていました。
ウラン・ウデはバイカル湖南東部に位置する、ロシア連邦ブリアート共和国の首都。人口37万人、そのうち1/4がブリアート人です。
ソビエト広場に鎮座する、巨大なレーニン頭部像にギョッとしました。ちょっと怖いんですけど;

ウラン・ウデの南西20㎞にある、ヴェールフニャヤ・イヴォルガ村にあるイヴォルギンスキー・ダッツァンというお寺が紹介されました。カラフルで美しい寺院で、ロシアのチベット仏教の中心地になっています。少年の僧侶2人組が照れながらカメラの前を歩いていました。なんてかわいい…..φ(-ω-。`)
チベット仏教だけでなくロシア正教(キリスト教)を信仰する人ももちろんいます。見る限り、ブリヤート人=チベット仏教、ロシア人=ロシア正教、といった感じです。

ウラン・ウデから南50㎞にある、ジェシャートニコヴォ村ではロシア正教の古い儀式文化を守る人々(スメイスキエ)が暮らしています。鮮やかな民族衣装を着た彼らが、伝統の歌と踊りを旅行者に披露していました。
ブリアート共和国の人々はとても信心深い印象です。

午前11時19分、ウラン・ウデを出発。
のどかな田舎町を走ります。お目当てのバイカル湖ですが、天気が微妙。霧が出ていてよく見えなーい!残念!
ナレーション(by石丸謙二郎)
「こういうときも車掌は掃除機をかけています。」
車掌が通路で掃除機をかけるシーンがカットインされました。あえて入れる必要があるのか?たまに謎なことをしてきます。
掃除している人、珍しく男性の車掌さんでした。
しばらくすると天気が回復し、バイカル湖の美しい景色が拝めました。ブルーグリーンのきれいな水面。長さ636㎞、最大幅80㎞、深さ1741mの湖。もう海です。冬は凍って厚さ1mの氷ができるそうですが、氷上を歩いたりできるのでしょうか?
ネットで調べたら、車も通行できると判明。Σ(・ロ・;)
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バイカル湖
午後3時49分、スリュジャンカ駅に到着。停車時間2分。なんもできねぇー。
スリュジャンカは雲母の鉱山がある町だそうです。

列車はバイカル湖のカーブに沿って急勾配を走ります。以前はバイカル湖岸を走っていましたが、ダムの建設に伴って山あいのルートに変わったらしいです。
以前のルート(旧シベリア鉄道)はバイカル湖岸鉄道として観光用に残されています。スリュジャンカ~バイカル間の90㎞を走り、旧路線跡をめぐる旅。ランチを食べる時間も設けられていて、大人の遠足といった感じで面白そうです。

午後6時前、イルクーツク駅に到着。停車時間不明。
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イルクーツク
イルクーツクは東シベリアの文化・産業の中心地で、街並みが美しいことから「シベリアのパリ」と呼ばれます。
駅舎もそれにふさわしいほど美しい建物です。オフホワイト×パステルグリーンで、ロシアでよく見る配色。ロシアはグリーンを差し色にするのが好きなのかしら。オシャレで良き。
見所としては、ズナメンスキー修道院が紹介されていました。イルクーツクに関わりのある多くの人物が眠っています。
第2次大戦後に日本人捕虜になった人達の慰霊碑がある、ラディシェフ墓地も紹介されました。森の中にひっそりと佇む慰霊碑。亡くなった人達がどのような生活をしていたか、想像すると恐怖です。誰かが誰かを支配するということが、この世からなくなる日は来るのでしょうか。

列車は再び出発。
もう随分走ったんじゃないか?いやいや、まだまだ。これから、5000㎞以上の距離を走ります!半分もいってないなんて;
乗客は緊張感がとけて少しリラックスした様子。大体半分の距離で疲労のピークを迎えるようです。

<5日目>
古そうな家々が並ぶ田舎の地域を走ります。雨が降っていて重い雰囲気。

午前11時17分、クラスノヤルスク駅に到着。停車時間不明。
町や駅についての紹介は特になく、出発。

車窓にはいくつもの民家と畑が見えます。これはダーチャという別荘で、都会に住む人が週末に家庭菜園をしに来るんだそうです。これが一部の人だけじゃないことに驚きます。
ネットで調べたら、ソ連時代に食糧不足対策で土地が支給されたことから始まっていることが分かりました。食糧不足が解消されても、ダーチャは癒しの場であり、ロシア人にとって大切な存在。贅沢な趣味なんて思ってごめんなさい。

ステップという草原地帯を走ります。また地理の授業で習った用語が登場。
西シベリア地方に入りました。

午後17時半過ぎ、マリインスク駅に到着。停車時間不明。
炭鉱が多い地域なので、貨物列車を含めたローカル線が多く発着します。

午後10時50分、ノヴォシビルスク駅に到着。
ノヴォシビルスクはオビ川のまわりに広がる、ロシア3番目の都市。19世紀に創られた新しい町です。
街はきれいに整備されていて洗練された感じです。駅は広くてゴージャス!ステーションホテルもあります。
見所として、聖ニコライ礼拝堂ノヴォシビルスク動物園、鉄道技術博物館が紹介されました。
動物園にはアムールトラやシベリアオオカミなど、シベリアならではの動物達を見ることができます。鉄道技術博物館に展示されている、昔のシベリア鉄道の客車は必見。特に1等車は豪華絢爛で見ごたえあり。
地下鉄の中もチェック。モスクワほどじゃないですが装飾が施されていて、きれいな内装。エスカレーターはモスクワと同様に長いです。

午前12時前に駅を出発。めずらしく1時間遅れです。
カナダオーストラリアの長距離列車は1時間以上の遅れはザラでした。「めずらしく」という表現をするほど、ロシアはきっちりしています。

<6日目>
午前8時48分、イシム駅に到着。12分の停車です。
町や駅についての紹介は特になく、出発。

午後12時半、チュメニ駅に到着。20分の停車です。
この地域には油田があり、石油やガスの産出で栄えてきました。

列車はひたすら北西へ向かって走ります。
車内でおいしそうにイクラを食べている男性がいました。この回を見てからというものの、イクラ食べたい病に罹り、イクラ入りのおにぎり(高額)をコンビニで買って帰るという行為を3回やったのはここだけの話。これを書いている今も食べたい。

午後17時過ぎ、エカテリンブルク駅に到着。約20分の停車。
エカテリンブルクはウラル地方の中心で、ロシア4番目の都市。当然、駅も立派です。
極東の主要都市(ウラジオストクなど)も都会ですが、ノヴォシビルスクやエカテリンブルクと比べると規模が違います。西に行くほど都会?首都がヨーロッパ側にあることと関係があるのでしょうか。
見所として、血の上の寺院が紹介されました。最後の皇帝、ニコライ2世一家が処刑された場所に建てたのでこういう名前です。「血の上の〇〇」はサンクト・ペテルブルクにもありましたね。ロシアのネーミングセンス、、、。

午後17時28分、エカテリンブルクを出発。
車窓からヨーロッパとアジアの境を示すオベリスクが見えました!ちょっと感動。ウラル山脈に入ったようです。

酒を飲んだり、おしゃべりをしたり、最後の夜を楽しむ乗客達。

<7日目>
どんより曇り空の下はうっすら積雪。モスクワまであと900㎞。

午後14時19分、最後の停車駅であるウラジーミル駅に到着。
モスクワの東200㎞にある古都です。駅から教会が見えます。

夕方(時刻不明)、ついに終点のモスクワ・ヤロスラヴリ駅に到着!
長丁場の仕事が終わったかのような、解放感に満ちた乗客の表情。やり遂げましたね!

午後9時25分、再びウラジオストクに向けて出発するロシア号を見送りながら今回の旅は終了です。



うぉーーーーー!!シベ鉄の旅が終わった!
毎度長丁場なんですが、今回は倍くらい長く感じました(´ε`;)文字量はそんなに変わらないと思うけど。
自分も6泊してる気分でした。まだ、5000㎞以上あるのか、、、みたいなwエア旅行者も疲れるのだから、乗客はもっと疲れますよね。でも、車窓から見たシベリアの景色は忘れられない思い出になるはず。

長文にお付き合いくださり、ありがとうございました!(^人^)感謝♪




by makotabi | 2023-05-14 15:17 | ヨーロッパ | Comments(0)

旅好きブロガー(山口県民)


by MAKOTO